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黄金比組子。前編 | FURUSU-古巣家具
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黄金比組子。前編

ダイニングの改装にともなって、ドアのオーダーを素敵なご夫婦から頂きました。

ヒヤリングでは、具体的な要望はなくこちらから提案して決めていくことに。

そこで、好きなインテリアや好みのイメージなど聞いて、自分なりに部屋の雰囲気に合うデザインを提案しました。

そこで気に入ってもらったのが黄金比の図を取り入れたデザイン。

※黄金比とは自然界に隠された不思議な比率で、オーム貝の渦模様やシダ植物の渦巻きの黄金比は有名です。

人にとっても最も美しい比とされており、絵画や建築物に使われているようです。

1:1.618の長方形を正方形に分割していき、その対角点を曲線で繋げものが黄金比の図です。

黄金比の組子 ロートアインアン ドア

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドアのデザインはこの図を四つに合わせています。

曲げ組子 ドア ロートアイアン

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

実は、この案を提案したとき実際にこの形ができるのか半信半疑。

そこで、完成までしばらく時間をもらい、試作から挑戦することに。

なんといっても、難題はRが徐々に小さくなっていくのをどのように割れず曲げるのか。

しかも材は、曲げ木に適しているとは言えない米松です。

そこで曲げるために治具を作って、材を蒸して早速トライ。

曲げ木 オーダーメイド家具

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

予想どおり、上手くいかない。小さいRは割れ、大きなRはなんだかいびつ。

そこで、材の蒸し方を変え、アイロンとアルミホイルを使って蒸すことに。

この方法だと、蒸し機に入れて治具にセットするよりも、材の乾燥を抑えてくれ

曲がるまで材を蒸した状態に保ってくれます。

(この方法は、アイロン曲げと言って兵庫の木工作家さんが考えられた方法です。

すごいアイディアで、シンプルな方法なのに成功率は高く、曲げ木の可能性が広がる。すばっらしいアイディア)

治具を改良して、アイロン曲げでトライ。

曲げ木 加工

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最初よりは、だいぶ曲がるようになったけど、やはり割れが数か所でてしまう。

曲げ木 失敗 家具
 

 

 

 

 

 

 

また、治具の作りなおし。もっと正確に綺麗に曲がるように工夫しないと。

ピンを差して曲げることを辞め全て面で抑えて曲げを形作る事に。

何度かトライして、どうにか曲がるようになったけど、やはり割れがどこかで出てしまう。

どうやら問題は曲げる方法にあるようなだ。

もう一度、曲げ木の基本に戻って考えると、太い材を曲げる時に使う鉄の帯板を

2回転するような曲げ木に鉄の帯板を使うのは

困難と勝手に判断していました。考えを改めて思いついたのが結束用PPバンド、

これなら自由な形に沿わせて使えるのでは。

 

木工 建具 特注

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

熱いうちにいっきに曲げないと、綺麗に曲がらない。

治具を回しながら曲げていきます。

特注ドア 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

全部が成功するわけではないけど、成功する確率が高くなった。

蒸しの時間を変えてみたり、できるだけ目が真っ継ぐな材を使うなど工夫して、

どうにか理想の形に曲げることに成功。

 

木 曲げ加工

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一晩、治具にセットしたまま乾燥させて、枠に組んでいきます。

綺麗に曲げるまで、苦戦したけど最終的に曲がってよかった。

曲げ木でそうとう時間を使ってしまった。ドアの制作を急がなくては。。

オーダーメイド ドア岡山 倉敷